
SNSや雑誌で「大人世代はナチュラルメイクで軽やかに」「抜け感を出すのが大人っぽさの秘訣」などといった言葉を目にする機会は多いものです。
しかし、実際にその通りにやってみても、なんだか綺麗に見えない、むしろ疲れて見える気がする…。そんな迷いのループに陥っていませんか?
50代を迎えると、若い頃と同じやり方では思うような仕上がりにならないことが増えてきます。だからこそ、“大人の肌に合った自然な整え方”を知ることが大切です。今回は、そのためのポイントをご紹介します。
ナチュラルメイクと手抜きメイクはちがう
ナチュラルメイクという言葉には、しばしば誤解がつきまといます。とにかく薄くすればいい、なるべく何もしないほうが自然…そう考える方も少なくありません。
けれども、50代以降のお肌には、シミやくすみ、たるみによる影といった“年齢サイン”が少しずつ映り込みます。そのままでは清潔感が損なわれ、疲れて見える原因になることも。
つまり「何もしない=ナチュラル」ではなく、むしろ自然に見せるためには工夫が必要なのです。薄く塗ることと、自然に見えることはイコールではありません。ここを理解するだけで、メイクの仕上がりはぐっと変わります。
では、なぜSNSや雑誌では“薄づき”のナチュラルメイクが勧められているの?
SNSや雑誌で紹介されているナチュラルメイクは、確かに“薄づき”がトレンドとして目に入ります。けれど、それをそのまま取り入れても「思ったように綺麗に見えない」と感じる方は少なくありません。
その理由のひとつは、モデルやタレントの方々は日々のお手入れの努力でお肌が整っており、シミやたるみがほとんどないケースが多いことです。さらに撮影現場では、プロのライティングによって光を当て、より美しく映るように工夫されていたりもします。
そうした現場で日々活躍しているメイクアップアーティストさんは、日常を普通に過ごす女性たちのお肌に触れる機会が意外と少ないもの。結果として「薄づきでも十分に美しい」という基準で紹介されてしまうのかもしれません。
しかし、50代以降のお肌にそのまま適用すると、必要な補正が足りず、清潔感が失われたり疲れて見えたりすることがあります。
だからこそ、大人世代のナチュラルメイクを美しく見せるには、ただ「薄く塗る」こと以上の工夫が必要なのです。
50代以降の女性が目指すべき“大人のナチュラルメイク”
この世代のナチュラルメイクで大切にしたいのは、次の3つです.
清潔感 …色ムラやくすみを整えることで、お顔全体が明るく見える
上品さ …派手さを抑えつつ、肌・眉・目元を丁寧に整えることで落ち着きが生まれる
- 自然さ …しっかりカバーしていても「厚塗り」に見せない工夫で、自然体に映る
これらがそろうと、「無理をしていないのに、なんだか素敵」と思わせる仕上がりになります。
ナチュラルメイクとは、50代以降のお肌の変化を受け止めたうえで、自然に見えるように整えていくもの。決して手抜きではなく、大人だからこそ必要な工夫の積み重ねなのです。
大人のナチュラルメイクのポイント
ここからは、具体的なナチュラルメイクのポイントをご紹介します。
♦︎50代メイクの基本は「徹底保湿」から
大人世代のお肌は乾燥しやすく、シワやくすみが目立ちやすくなります。だからこそ、ナチュラルメイクを美しく仕上げる第一歩は「しっかり保湿」。
化粧水・美容液・クリームを重ねてお肌にうるおいを与えると、自然なツヤ感が出てお化粧のノリや持ちもぐんと良くなります。
特に乾燥が強い日には蒸しタオルでお肌を柔らかくしてから化粧水を入れると効果的です。
♦︎ベースメイクは「均一な肌」「血色感」「ツヤ」を意識
ナチュラルメイクの印象を決めるのはベースメイクです。
⚫︎ 化粧下地でトーンアップ
清潔感のあるお肌を目指すためには、トーンアップは欠かせません。桜色のような明るいピンク系の下地で黄ぐすみをやわらげ、ふわっと血色感を仕込みます。
⚫︎ 「クリームファンデ」で色ムラを整える
ノーファンデを目指す方も多いですが、お肌の“粗隠し”をするためにはやはりファンデーションは必須です。乾燥しやすい年齢肌には保湿力の高いクリームタイプがぴったり。少量ずつ置き、指でくるくるなじませることでつるんとした自然な均一なお肌に。
⚫︎ フェイスパウダーは最小限でツヤを残す
クリームファンデ後のパウダーは、少量でOK。厚く重ねるとシワや乾燥を強調してしまいます。大きめのスポンジでお顔全体を軽くポンポンとタッピングする程度で、若々しいツヤ感を残しましょう。
♦︎アイメイクは自然にくっきり見せる工夫を
ナチュラルメイクだからといって、アイメイクを省いてしまうと表情がぼやけ、目元が寂しく見えてしまいます。
大人世代こそ、アイラインやアイシャドウで目元に自然な奥行きと明るさを添えることが大切です。
⚫︎ アイライナーはリキッドタイプよりも自然に仕上がる“ペンシル”タイプをチョイス
アイラインを引いたあとはブラシでぼかすことで、より自然に引き締まった目元に見えます。
⚫︎ 濃いブラウンなどの“締め色”を目の際にいれて輪郭を際立たせる
「締め色を使うとおばあさんぽく見えるのでは」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。印象がぼやけた目元がはっきりして、かえって若見えするんです。
⚫︎ まつ毛は根元からカールし、ダマのないセパレートに
過度にボリュームを出すマスカラは不要ですが、まつ毛一本一本が美しく見えるように丁寧に塗ればナチュラルなぱっちりお目目に。
♦︎眉はちゃんと“描く”&“整える”
「描かない」「整えない」がナチュラルメイクではありません。
実は多くの方は、「正しい位置」に眉毛が生えていないんです。だからこそ、今ある眉を活かしつつ、不足しているところに描き足し、余分な部分を整えることが必要です。
眉の整え方がわからない…という方は、先にアイメイクを仕上げてから、理想の眉毛をまず描いてみるのがおすすめです。その上で、はみ出している毛をカットしたり剃ったりすれば、自然に形が整います。
▼詳しい眉の書き方はこちらのブログでもご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
チーク&フェイスカラーで“血色と立体感”を自然にプラス
ナチュラルに見えるチークのコツは「のせる場所」と「量」です。頬の中央に濃く入れると作り込んだ印象になりますが、目の下にほんのりぼかす程度なら、血色が自然ににじむように見えます。
フェイスカラーも同じで、影や光を「描く」のではなく、ほんのり足す程度が自然です。シェーディングはお肌より少し暗めの色を正面から見て側面にあたる部分に、大きめのブラシでふんわりとのせましょう。
ハイライトは頬骨やTゾーンにほんのり光を加える程度で、顔全体が自然に明るく見えます。
♦︎リップメイクは輪郭を整えて浮き感をやわらげて
ナチュラルメイクだからと、リップクリームだけで済ませてしまう方も少なくありません。
けれど、年齢を重ねた唇は輪郭がぼやけたり、色味が薄くなったりしやすいため、それだけでは表情がさみしく見えてしまいます。
口紅をナチュラルに見せるためには、唇に近い色味のリップライナーで輪郭を縁取っておくのがおすすめです。口紅の色が浮きにくく、ぼやけた口元ががキュッと引き締まって見える効果もあります。
仕上げに中央へ少しだけグロスを重ねれば、ツヤが出て自然な華やかさが生まれます。
ありのままを受けれ入れられるのは素敵。でも清潔感は整えることで生まれる
年齢を重ねた自分を受け入れる姿勢は、とても素敵なことです。シミやたるみも「生きてきた証」として肯定できる強さは、多くの人の憧れでもあります。
ただ一方で、日常の中でふと鏡を見たときに「疲れて見える」「なんだか清潔感がない」と感じてしまう瞬間もあるのではないでしょうか。そうした違和感をやわらげ、表情を明るく見せてくれるのが、きちんと整えたナチュラルメイクです。
ナチュラルに見えるように工夫されたメイクは、「自分らしさをより心地よく見せるため」のもの。ありのままを受け入れながらも、整えることで周りからの印象も、自分自身の気持ちも、前向きに変えられるかもしれません。
まとめ|大人のナチュラルメイクに必要なポイント
①スキンケアと保湿で土台を整える
②ベースで色ムラを均一にし、ツヤを残す
③アイメイクや眉は「やらない」ではなく、自然に見えるように整える
④チークやリップで血色感を加え、表情をやわらかく見せる
本当のナチュラルメイクは、決して「薄く塗る」ことではありません。シミや色ムラをカバーしつつ、いかに自然に見せるか。実はそこには工夫やテクニックが欠かせないのです。
とはいえ、特別な才能がいるわけではなく、正しい知識を身につければ誰にでもできるものです。ポイントを理解して少しずつ試すことで、自然で清潔感のある仕上がりは必ず手に入ります。
ありのままを大切にしながら、整えるべきところを整える。そのバランスこそが、50代からのナチュラルメイクの魅力ではないでしょうか。
「薄付きでないといけない」「濃いメイクは老けて見える」
——そんな情報に惑わされて、悩んでいらっしゃる方へ。この言葉が、少しでも届けばうれしいです。
吉村薫子の若見えメイクレッスン
吉村薫子の「若見えナチュラルメイクレッスン」では、50代からのお顔に合わせた自然に若々しく見せるための具体的なテクニックを、一人ひとりに寄り添ってお伝えしています。
・ 自分に合うベースメイクの整え方
・ 眉・アイメイクで自然に見える工夫
・ 血色と清潔感を添えるチーク・リップのポイント
「自己流であっているか不安」
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